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スウェーデンでは、地方自治体のレベルにおいてはスクールプランを策定することとなっている。そのひとつ、ストックホルム市のスクールプランでは、全ての学校が個々にその学校としてのアジェンダ21すなわち環境行動計画をつくることを定めている。これは言うまでもなく、1992年にブラジルで開催された国際会議であるUNCED(国連環境開発会議)で採択された「環境と開発に関するリオ宣言」と環境保全のための具体的行動計画である「アジェンダ21」を意識したものである。
ストックホルム市のスクールプランのうち、環境教育に関する部分を示す。

 

自然と環境に関する教育
最大の目的は、すべての学校のすべてのレベルで,我々が共有している環境の保護と保全に関する問題について討議させることにある。
それぞれの学校において、資源再利用の重要性を生徒たちにどのように教え、考えさせるかを具体的に示すと共に、学校でのエネルギーと水の消費をできるだけ効率的にし、その無駄使いを防ぐ方法も記載した環境計画を作成する。
この計画には、日常生活で発生する廃棄物を減らすにはどうすればよいか、どのように処分すべきか、また、環境に優しい製品をもっと多く使用するにはどうすべきかについても説明しなければならない。

 

子供が日々の生活を送っている学校もひとつの社会として捉え、計画を立てて環境に負荷を与えないように行動していくというのが、この「学校アジェンダ21」の考え方である。子供も学校という社会の構成員のひとりとして、責任を持って行動していくことが求められ、環境教育のひとつの有効な手法として、また実際の環境保全のための行動として、さらに国際社会の一員として国際的義務を果たす経験をするという意味も持っている。
次にストックホルム市内の基礎学校における「学校アジェンダ21」(Bagarmossens Sko1a,1996)の一部を見てみる。

 

バーガーモッセン・スクールの学校アジェンダ21 96/97年度
A.資源回収
古紙回収
目標:高学年での古紙回収を効率的に行う。古紙回収は他の学年でもスタートさせねばならない。学校で使用される複写用紙の量を減らす。
授業内容
●古紙回収作業を継続する。回収量は週報で報告される。
●複写用紙の消費量は複写機が設置されている箇所(複数)の責任者が報告する。コピー室と下記の部署でのコピー消費量の報告は10月から開始する。

 

 

 

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